社交ダンス音楽編集の虎 の巻1
社 交ダンスは音楽が常に重要なテーマなります。ややもするとスポーツ性ばかりが喧伝されて芸術性が蔑にされます。 ここでは、社交ダンスを踊るためのダンス音楽編集全般について解説していきます。
 

 

2012年3月1日(木)
社交 ダンス音楽のテンポの推移

1988年、第36回インターナショナルダンス選手権ラテン部門で、サミー・ ストップ フォード 組が、ルンバ競技をベーシックで踊り、1種目だけですが、 ドニー・バーンズ組に勝利しました。ナチュラルな素晴らしいルンバで、世界中で絶賛されました。
この時の、種目別テンポは、cha-cha-cha32bpm(bars per minute=32小節)、samba52bpm、rumba28bpm、paso62bpm、jive44bpmでした。種目別の時間は、cha- cha-cha約2分9秒、samba約1分51秒、rumba約2分34秒、paso約1分57秒、jive約1分32秒のfull演奏でした。
現在の所謂標準タイムと比較すると、rumbaが際立って早いテンポです。

1994年、世界プロフェッショナル・ラテン・アメリカン・ダンス選手権大会では、アフリカも含めて世界各国から、国別の代表メンバーを招集して、世界の ナンバーワンを決める競技会が日本で開催されました。
この時の種目別テンポは、cha-cha-cha31bpm、samba52bpm、 rumba26bpm、paso60、jive43bpmでした。種目別の時間は、cha-cha-cha、samba、rumbaは1分46秒前後、 pasoは2回目のドンまでで1分20秒、jiveは1分27秒でした。

チャンピオンに輝いたのは、もちろんドニー・バーンズ組でした。
このときに出場したカップルで、アラン・トーンズバーグ&ビベッケ・トフト組のシンプルなルンバに私は釘づけでした。
ビベッケの薄ピンクのシン プルな衣装と同カラーの髪飾り、ラテン系のチャーミングな女性でした。

現在では、StandardもLatinも、随分と音楽のテンポが遅くなりました。昔の体全体が弾むような動きから、体幹の動きやムーブメントをしっかり と表現するようになり、必然的に遅くなったのでしょうか。

私は10年程度、地方のダンス競技会の音楽を担当した時期がありました。最初は、CD、MDを持参して、タイムスケジュールに従って音楽の再生をしており ました。その後はMDのみで行うようになり、直近ではパソコンに音楽を取り込んで対応してきました。
現在では、パソコンに少なくとも1万曲以上の音楽ファイルを取り込んで、データベース化しており、CD、MDを煩雑に出し入れすることもなく、ずいぶんと 楽になりました。

音楽プレ ヤーはソニーのSonicStage CPを使用しております。ソニーのATRAC3(256kbps)のファイル形式が一番音質とファイル容量のバランスが良 いです。特に高音の再現性に優れています。
音楽のテンポ調整には、音程を変えずに編集できるソフトを使っているので、まったく違和感なく使用できます。
以下に、原曲と、テンポ調整後の編集加工曲の サンプルがおいてありますので、クリックして視聴してみて下さい。拡張子wmaですから、Windows Media Playerに関連付けしてあれば、
Windows Media Playerが立ち上がって再生します。
なお、rumbaは
1988年、第36回インターナ ショナルダンス選手権のファイナルで使われたものです。


sample  rumba104bpm(原曲)

sample  rumba100bpm(編集後)

sample  waltz90bpm(原曲)

sample  waltz84bpm(編集後)

音程を変えずにテンポ調整できると、かなり昔の社交ダンス音楽も、リニューア ルして使用 できま す。
また、編集時には、グラフィックイコライザーで、楽曲の 特性をより強調した加工も可能です。例えば、ラテン系では、コンゴ、ボンゴ、スネアや太鼓等のパーカッションを強調すると、ノリノリのラテンミュージック になります。
その 他、リパブで緩めに残響効果をつけるのも良いものです。
なお、競技会・パーティーデモ等で使用する場合、それぞれ音楽のスタート時点から終了時点まで範囲指定をしてトリムし、終了時点を
フェードアウト(フェードダウン)処理します。
この編集操作によって、
自由に再生時間を調整すること ができます。

今日の豆知識

楽曲のテンポを表現するときに、bpmという言葉が出てきます。CD等で通常使用される場合には、
bars per minute=1分間の小節数が使われます。
CDメーカーによっては、実際のbpmと違う事があり、例えばrumba24bpmと書いてあっても計測して みると24.5bpmだったり、waltz29bpmと書いてあるものが、実際は28bpmだったりして、やや不正確な場合があります。
楽曲の編集時に は、同じbpmでもbeat per minute=1分間の拍数によって正確なテンポ調整を行います。上記sampleのbpmは拍数です。rumbaは4、waltzは3で割算すれば、小 節数になります。

 

2012年3月6日(火)
Sony の SonicStageCP ver.4.4

音楽CDをパ ソコンに取 り込んで、データベース化かるには、音楽のプレヤーソフトが必要です。代表的なWindows Media Playerは楽曲のデータベース化には向いていません。
私が、10,000曲以上取り込んで使用している、SonyのSonicStageCPver.4.4
が、今のところ最適なソフト です。

マイライブラリーのジャンル名には社交ダンスのジャンルがありませんが、waltz,tango,rumba等を入力し ていくと、それらのジャンル名が記憶されて、それぞれプリセット化されていきますので、使っているうちに楽に入力できます。
ソニックステージ画面並 び順をジャンル名にすると waltzならwaltzが一覧で並びます。
評価欄があって、これは
Windows Media Playerと同じですが、音楽を聴いて自分で評価をつけれます。
私の評価のつけ方は、デモ曲としてぜひとも踊りたいと思った場合は
★5、 まあ踊ってもよいか(ダンス競技会に使える、ダンスパーティーでも使える)といった場合は★4、あまり印象が強くない、可もなく不可もない場合は★3、 メロディーも楽器構成も悪い場合は★2という風に付けています。
自分の好みが強く反映される評価ですが、楽曲のイメージ評価を自分で付けるので、後から曲 を使う場合の検索には多少曖昧であっても、大いに参考になります。

ソニックステージ画面ま た、プレイリスト編集の機能を使って、プレイリストフォルダーを新規作成し、例えば、フォルダー名をザ・ベスト・オWaltzVol.01として、そこに 各アルバムの★5を⇒をクリックしてまとめておきます。ダンス競技会やダンスパーティーで使用する音楽を検索する時 に、とても役立ちます。
 
Sony のSonicStageCPver.4.4はSonyが無料提供しているソフトで、ダウンロードする場合には、Menu欄のリンクをクリックしてくださ い。
音楽編集に役立つフリーソフトにソニーのバナーがおいてありますので、そのバナー画像をクリックすればダウンロード先のリンクに行きます。

Windows 7でインストールする場合は管理者として実行して下さい。
次回は、
SonyのSonicStageCPver.4.4の初回起動時 のウィザードやソフトを使う上での大切なポイントを解説します。

今日の一言
ソ ニーではSonicStageCP以降、Xアプリ等の新しいソフトを開発しています。Xアプリは私も試しにインストールしてみましたが、ソフトに収録する 曲が多いとフリーズしたりして、とても使えなかったです。
競技会等で専門的に使うには、多少古いソフトですが、シンプルで軽快に使える
SonicStageCPが安定性と機能面で一番良いと思いま す。

SonicStageCP の一番有り難い機能は、アルバム内のタイトル名を右クリックするとwav(音楽ファイルの無圧縮形式)で保存できるものです。
ソニックステージ画面 ソニーのATRAC3は非可 逆圧縮形式ですから、完全な元の無圧縮状態にする事とは若干違いますが、音楽編集上は気にする事もありません。
参考までに、可逆圧縮とは
100%元の状態にする圧縮方法で、ZIP等の 圧縮ファイル形 式の事を言います。ZIP等の圧縮率は、拡張子exeファイル(ソフト実行ファイル)で40〜45%程度と僅かですが、非可 逆圧縮である音楽ファイルでは、通常100%のファイルを20%程度に圧縮するので、圧縮率が全然違います。

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