2012年3月18日(日)
私が50歳前後の時に、突然膝の痛みがひどくなって、歩けることも車を運転する事も
出来なくなりました。
かかりつけの整形外科まで、人に運転してもらって行きました。
先生の診断では「変形性膝関節炎」でした。先生に、「変形性ってどんな意味ですか」と
尋ねましたら、加齢にともなう炎症の事で老人性と言う事でした。
先生から、10日程入院していきなさいと言われ、そのまま入院しました。入院と言って
も膝を固定して、静かに寝ているだけでしたが、先生の見立て通り10日過ぎには回復し
て退院となりました。
その時、つくづくと膝をカバーするため
に、単純な発想ですが太腿(大腿四頭筋)を強化
しなければ駄目だと思いました。
このページで、脚力をアップするための方法を皆様にお伝えできれば幸いです。
基本はスロートレーニングです。スロートレーニングとして太極拳やヨガ等が良く知られ
ていますが、ちょっと敷居が高いなぁ〜と言う方むけの方法です。
@自宅でも出来る一般的な方法と、
A私自身が
行ってきたラテン上級者向けの方法です。
ここで少し解説
健康寿命と言う言葉があります。計算式は、平均寿命−介護等が必要な期間=健康
寿命となります。
おおよそ
人生の10%程度が、誰かに支えられなければならない
生きていけないのです。この健康寿命
を少しでも伸ばす事ができるキーワードが「筋肉」で、筋
肉を鍛え維持し増やしていく事が大切です。
筋肉が衰えると転倒リスクは4〜5倍になります。転倒の原因は、足腰の
筋力の低下、バランス能力の
低下によるものです。。足腰の筋肉(太腿、お尻、おなかや背中の筋肉)が、一番老化の影響を受けや
すく、70歳になる頃には、約半分に低下すると言われています。
筋トレに手遅れはありません。80歳以上になっても筋力がアップする事が報告されています。
また、筋トレ(筋肉をよく動かすような運動)を行うと成長ホルモンだけでなく、アドレナリンや性ホルモン
の分泌も高まります。
アドレナリンとは(副腎から分泌されるホルモン)です。成長ホルモンとは(脳下垂体前葉から分泌される)
ホルモンです。
性ホルモンとは性腺から分泌され、男性の場合はアンドロゲン(男性ホルモン)、女性の場合はエストロ
ゲン(女性ホルモン)です。
アドレナリンヤ成長ホルモンの効用は、脂肪の分解を促進します。成長ホルモンの効用は、細胞の増殖
を促します。
性ホルモンの効用は、骨や筋肉を強くする働きがあり、骨粗しょう症の予防に効果があります。
アドレナリンは脂肪がたまりにくい状態を作ってくれます。
アドレナリンは交感神経(自律神経の活発モード)が活発化することで分泌され、70歳以上でも分泌されま
す。
自律神経のお休みモードが副交感神経で、副交感神経は睡眠時や体が休んでいるいるときになどに活発
化されるのです。
通常の高強度の筋トレよりも、スロートレーニング行ったほうが、男性ホルモンの分泌が高まります。
女性も同様です。
筋肉は貯蓄ができないので、定期的、継続的なトレーニングが必要になります。ただし、筋トレをいったん休
んでも、筋肉は筋肉が太くなってことを記憶しているので、筋トレを再開するとすぐに回復していきますので、
回復速度が速いのです。
加齢によって落ちやすい筋肉は、
⒜太腿(太腿前面の大腿四頭筋)
⒝お腹(大腰筋や腹直
筋)
⒞背中(脊柱起立筋群や広背筋)
⒟お尻(大臀筋)です。
脚力アップとは
太腿の(大腿前面=大腿四頭筋)、大腿後面に位置するハムストリング(太腿後面の筋肉群=大腿二頭筋+半
腱様腱+半膜様腱)、お尻の大臀筋のパワーアップです。
自宅でも出来るスロトレの一般的な方法
@片足立ち(簡単でどこでも行える効果的な脚力アップ方法です)
目を開けた状態で片足を床につけない程度に上げる運動で、左右それぞれ1分間ずつ、1日3回行う)。
足の爪先は25〜30度外に開いた状態で立ちます。その時、膝と爪先の方向が同じ向きでなければなりませ
ん。慣れてきましたら、音楽1曲分(約3分程度)はバランスを保って片足立ちできます。
バランスを自在に保てるようになったら、上げている足を前後に持っていったり、片足立ちしている足の反対
側面にもっていったりしていけば、さらに脚力とバランスの向上につながります。
片足でのバランスコントロールは
股関節の強化にも役立ちます。
自宅では素足で行ったほうが良い
でしょう。
私は、ダンスの練習に入る前に必
ず、この片足立ちを男子ラテンシューズを履いた状態で行っていますが、
女子の場合はヒール高とヒールが細いので、ヒールを脱いで行って下さい。
Aスクワット
両足を肩幅より広めに開き、両足のつま先を外側へ30度ずつ開く。この状態で椅子に腰かけるような要領で、
おしりをゆっくり下し、次にゆっくり上げるという動作を5〜6回ワンセットとして、1日3回行う。
お尻を下すときに息を吸う。お尻を上げるときに息をゆっくりと吐く。膝を曲げる角度は90度を超えないように、
お尻を上げるときにはひざを真っ直ぐにせずやや緩んだ状態にする事
スクワットする時には、上半身はやや前傾姿勢で行います。上半身を真っ直ぐに保つと膝に負担がかかるか
らです。
腰に違和感がなければ、お尻をやや上に引きながら(ヒップアップで)行うと良い。
ポイントは、骨盤を立てる(後傾させる)ヒップアップ動作で、その上に肩、腰、膝を感じることで
す。
スクワットに慣れてきて、膝に疾患がなく違和感もない場合は、ボールに体重をもっていきヒールを浮かしてみ
てやってみましょう。より効果がアップすると思います。
スロトレのスクワットでは、関節を曲げきらない、伸ばしきらないが基本です。伸ばしきってしまう
と筋肉が緩ん
でしまい、筋トレの効果は得にくいのです。
Bニーアップ
背筋を伸ばし手を大きく上に振ってその場で足踏みを行う。上げた足の太腿は床と水平になるまで高く上げま
す。ニーアップは50〜100回行います。
Cヒップリスト
仰向けに寝た状態で行う運動です、仰
向けになり、両足を揃えて膝を立てる。両腕は手のひらを下にして、体の
横に添えます。両足を揃えるときには、両足がなるべくお尻の近くまでくるようにして、
膝を立てます。
ゆっくりと息を吐きながら、体が真っ直ぐになるところまで、お尻を上げます。
ゆっくりと息を吸いながらお尻を下す。お尻が床に着く前に、再び同
じ動作を行う。
最初は5回×1セットからやってみて、最終的には10回×3セットが目標です。
筋トレの原則
筋トレは週に2〜3回が基本です。筋肉は筋トレの後、筋肉を休ませてやる事によってより効果的になり
ます。
オーバートレーニングは逆に筋肉を傷ませる事になります。
スロトレは、関節を常にロックしないため、関節に大きな衝撃を与えないので、高齢者に適したトレーニングです。
また、スロトレは通常の筋トレよりも軽い負荷で筋肉を鍛え、動作もゆっくりと行うため、関節に与える負荷が軽
いトレーニングです。
スロトレは午前中か日中早い時間に行うようにしましょう。食後30分はダメですです。
膝を曲げる動作では、内またに注意しましょう。ニーイン・トーアウト状態(爪先よりも膝が内側に向く事)で膝を
曲げると膝を痛めてしまうので、スクワットする場合には、膝と爪先が同じ向きになっているかどうか、しっかり
確認しましょう。
また、膝を曲げた時にも膝が爪先より前に出てしまうと、膝を痛める原因になりますから、これも要注意です。
スクワットの効果部位は、大腿四頭筋と大臀筋と僧帽筋と三角筋です。
ニーアップの効果部位は、大腿四頭筋と中臀筋と大腰筋です。
ヒップリストの効果部位は、大臀
筋と脊柱起立筋群です。
ラテン上級者向けの方法
ルンバ・ベーシックとルンバ・ウォークで、体幹と脚部のローテーションを正しく動作させる事がマスター出来てい
る方向けです。
@ルンバ・ウォーク
前進動作
ルンバ・ウォークを前進4小節、後退4小節程度を繰り返します。これを、シャドーで15分〜20分程度行います。
音楽は特に必要ありません。左足の爪先は約30度以上外向させ、右足は体幹後部にあります。
左足に殆どの体重があり、右足は親指が床面にポイントしています。
右足を前進させる時に、お尻(大臀筋)が外旋し右ヒップが上昇します。一般的に言われているターンアウトのエン
ィングです。
その後、左足横に有りますが、その時には左足の膝が所謂ニー・バックして、右膝は十分に曲がっていなければ
なりません。さらに、右足前進させ右足は足裏小指のアウトサイド面から床面に着きます。
後退動作
右足に殆どの体重があり、右足の爪先は約30度以上外向させ、左足は体幹後部にあり左足親指が床面にポイン
トしています。左足の足裏が万遍なく床面に着きます。足の裏をスタンプするように万遍なく使う。
左足に体重の殆どが移動して、さ
らに右足を引き寄せる時(後退時)に、ニー・バックが行われ、その為に右ヒップ
はアップします。右足は左足横にあり膝はしっかりと曲がっていなければなりません。
ルンバウォークは、太腿の内側(インサイド)股の付け根を意識したトレーニングでもあります。
なお、前進後退時に両足がいった
ん横に並びますが、これが所謂、身体のニュートラル状態です。
前進後退も、ターンアウトをしっかり意識して行いましょう。
以上の動作を、できるだけスローな動きで、一歩一歩身体の動きを観察し確認しながら進めましょう。
と
にかくスローに、動画で言えばコマ送りからスロー再生の範囲内の遅さで行って下さい。
スローな動作だから負荷が軽いと思われがちですが、このようなスロー動作でも、暖かな季節にはかなりの汗を
かきます。
練習場やダンスホール等では、他の人の邪魔にならないように、コーナーで練習して下さい。
以上の動作練習を週2〜3回は
行って下さい。半年以上経過後には、驚く程の脚力の変化を体感できると思います。
た
だし、継続しなければ効果は期待できません。
足型中心から抜け出した上級者向け
壁際で練習します。
@スタンダードのワルツで、例えば、シャッセフロムPPのシャッセで足が揃った時に、しばらくトー立ちします。まだ
バランスが取れない時には、壁に手を添えても良いです。
姿勢も
チェックして、肩や腰が膝と一体である事を感じましょう。
両足は綺麗に揃えましょう。足が揃わないのは、時間のとり方が速いためで、シャッセで足を揃える時には意識して
音価(タイム・バリュー)を伸ばし気味にします。
シャッセでしっかりと立てるとバランスも安定してくるので、とても良い練習方法だと思います。
Aスタンダードのワルツのウイスクの時に、5
秒前後アップした状態(トー立ち)を維持しましょう。
ウイスクはリバース
系のフィガーですから、左に45度以上回転した状態でも、5秒前後アッ
プした状態(トー立ち)を維持しましょう。
Bスタン
ダードのワルツで、コーナーでナチュラルターンした後、バックウイスクのアップ状態を、5秒前後維持しま
しょう。
以上の練習は、シャドーで行います。カップル練習に入る前の準備運動としても良いと思います。
今日の一口メモ
なお、リードアンドフォローについてですが、ホールドして前進するときは背中から押されるようにパワーを受けて、後
退は胸部腹部からパワーを受けて練習します。
ホールドが崩れる原因の一つは、男性の右肩が前に出過ぎる事です。
女性の肘が落ちる、肘と腰の位置がバラバラにな、男性の左サイドが開いてしまう事も、ホールドの乱れになります。
女性の右肘が落ちやすいので、女子の右ホールドを立てるようにすると、ネックからホールドまでのラインが美しくな
ります。
2012年3月30日(土)
今日は、筋トレでの言葉の意味と補足内容について説明します。
@大腿裏の大腿二頭筋+半腱様筋+半膜様筋をハムストリングと言います。股関節の伸展動作に重要な役割を持って
いて、別名、股関節伸展筋とも呼ばれ、腿を後方に振る動作にとても重要な筋肉です。
一般的なイメージとしては、「膝を曲げる筋肉」と思われていますが、そうではありません。スポーツ全般の実動作や
競技動作の中で、膝を強い力で曲げる動作と言うのはほとんど有りません。
社交ダンスでも当然に、極端に膝を曲げると言う動作がないのは、常識なのです、
社交ダンスで膝を痛める人が良くいますが、原因の大方は、正しい筋トレをやっていないか、ダンスの指導方法や練
習方法が間違っているためです。
Aトレーニングのセット回数ですが、毎回同じように同じ回数でやる事よりも、大事なのは、その時の体調に合わせて
回数は前後する事です。体調が良ければ「可能な限りの回数を反復する」と言う意識が大切です。
特に、最後のプラス1回=「きついけど振り絞った1回」によって、筋トレの効果が出てくるものです。
B同
一部位の筋トレの頻度は、中2日程度の休息を入れて、
週2回くらい行うのが、良いでしょう。
C上体を起こして膝を前に突き出して行うスクワットは、膝伸展の負荷が大きくなります。反対に上体を前傾してお尻を
後ろに突き出して行うスクワットは、股関節伸展の負荷が大きくなります。
以上の事から、膝を出すほど膝伸展筋の大腿二頭筋が鍛えられ、お尻を引くほど股関節伸展筋の大臀筋やハムスト
リングが鍛えられる事になります。
ただし、腰に違和感のある人は、必ず上体を真っ直ぐに起こしてスクワットするように注意しましょう。
Dドローインとは??
基本の動きは「単純にお腹を凹ませる」と言う運動です。
真っ直ぐに起立して、出来るだけお腹をへこませて5秒程度キープを数回繰り返します。その時に、胸を張って胸郭を広
げると腹圧が下がるので、お腹が凹みやすくなります。同時に肩を上げる動作を行っても良いです。
ドローインには、お腹痩せ効果や、お腹まわりの脂肪が取れやすくなる事が期待できます。
このドローインは、何時でもどこでも手軽に行えます。服を着ていればドローインの動きは目立ちませんから、姿勢を矯
正したり、正しい姿勢を確認するのに、とても便利な運動です。
ドローインする時には、胸を張って背筋を伸ばしつつ、お尻を締めるようにして行って下さい。
Eじっと筋肉を動かさずにいたり、力が入り続けた状態でいると、筋肉が時間の経過とともに硬くなってきます。また、筋
肉に疲労が溜まっているときも、筋肉が硬い状態になっています。
こんな時には、ストレッチ(伸び動作)を行う事で筋肉の硬い緊張が抑えられます。
F
人間の重心位置は、仙骨を中心とした骨盤の中にあると言われます。仙骨の位置は、ベルトの下ぐらいのお尻の肉が
あまりついていない部分で、お尻の割れ目のちょうど上にあります。
2015年00月00日(00)
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